『映写室のわかばさん(1)』ネタバレ感想。映写技師の美女を眺めるだけなのに、最高に面白い。
映写室のわかばさん 1巻
漫画:青山克己
原案:神田川あゆ
「映画」と「巨乳」そんな僕の大好きなものが同時に楽しめる最高な漫画です。
あらすじ
「ニュー映劇」で映写技師として働くわかばさん。クールで美人なんだけど、塩対応で基本無表情。そんな彼女を周りの色んな人が見守る。
以下、感想。微ネタバレ注意。
もはや絶滅危惧種のフィルム映画という題材
デジタル化の影響で、フィルム映画を観れるスクリーンは現在(2018年末時点)70も無いみたいです。情報はこちらのサイトから「一般社団法人日本映画製作者連盟(http://www.eiren.org/toukei/screen.html)」。実際僕自身フィルム映画は観たことなくって、でもいざ無くなっていくとなるとやっぱり寂しいなと思ってしまいます。
でもこのマンガ読んだ機に、映画好きとして人生で一度はどっかに観に行ってみようかな。なんて風に思いました。
調べてみると、日本最古の映画館が新潟県にあるみたいです。割と行けそうな距離にあるので機会があったら足を伸ばしてみたです。
この漫画では「わかばさん」という美女を描きつつ、ちゃんと映写のお仕事についても描いてくれています。どんな場所で、どんな風に映写しているのか。そして、彼らの仕事のやりがいとはなんなのか。というところまで。
原案の神田川あゆさんは、本職が映写のお仕事みたいで、一見すると可愛い女の子を眺めるだけのマンガかと思いきや、実際はちゃんと描かれていました。
作り手の映画への愛
このマンガ、まずマンガを開いてすぐの、表紙の「そで」の部分。ここのスタッフ紹介の時点で僕はクスッと笑わせられました。ちょっと映画を絡めてきてるんですよね。ちなみに裏表紙のそでは映画のチケット風になっていて、これもオシャレでした。さらに、カバーを外したところまで凝ってて、マンガ買った方ここ忘れずに見てみて下さい。
で、1巻の中で印象的だったエピソードで、ピンク映画を題材にした回があります。映画を扱ったマンガは結構ありますけど、ピンク映画が登場するのなんて初めてみました。
このエピソード、凄い良いセリフが出てくんですよね。ピンク映画の主演の女優「浅野アヤ」が「いつの時代も作る人より、作らない奴が偉そうにしてる」って言うんですよ。
「た、確かにぃ......」。批評家や出資する人だとか、あとは僕みたいな感想をこうして描いてる人。そんな中で、作品の作り手に対するリスペクトが無い人って結構いるかもなんて思いました。
このエピソードで他にも良いセリフがあって、わかばさんが務める「ニュー映劇」の社長がこんなこと言ってます。
いつの時代もどんな題材でも、いいものを全力で作る。いいものを全力で送り出す。そう言う矜持を彼女は持ってると、俺はこの映画から感じた。そういう人はこういう場をないがしろにしたりしないんですよ。あんたらがくだらない「ジャンル」でくくって「こんな映画」と言ってるモンでもね。
引用:映写室のわかばさん 1巻より
金言ですよね。このセリフだけだとちょっと意味が伝わりづらいので、是非このエピソードだけでも読んで欲しいです。
何と言っても「わかばさん」が可愛い
はい。もうここですよ。だって可愛いんだもん。
普段は愛想のカケラもないようなわかばさんですけど、喜怒哀楽はちゃんと、なんなら人一倍あって色んな表情を見せてくれます。ラーメン食べて至福の表情を浮かべながらゲップするとこなんて最高でしたね。
他にもピンク映画をいちいち興奮しながら見て、「ぼかし」の部分を角度を変えて見ようとするとこなんかも良かったです。
こういう細かいところを一個一個挙げだしたらキリがない。そのくらい「わかばさん」にハマってしまいました。
この漫画ではそんな美人のわかばさんが周りのさもしい男どもが眺めてるんですけど、後半の方では完全に読者の僕もそんな男どもと一体化してましたね。「ありがとうわかばさん!」
最後までご覧いただきありがとうございました。
映写室のわかばさん 1巻 (マッグガーデンコミックスBeat'sシリーズ)
- 作者: 青山克己,神田川あゆ
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2019/05/14
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映画を題材にしたオススメ漫画まとめてあるので、こちらも気になった方是非読んでみて下さい。
【6選】映画を題材にしたおすすめ漫画!
映画を題材にしたマンガを集めてみました。映画について語るという内容の作品はもちろん、映写技師を主人公にした漫画なんてものもあって、同じ映画を題材にした漫画でも多様化してきているなと思いました。
映画好きかつ漫画好きとして、この手のジャンルがもっと増えて欲しい。そのためにはもっと「映画を題材にした漫画」に流行って欲しい! ということで個人的にオススメの映画マンガを集めてみました。
シネマこんぷれっくす!
映画を題材にしたハイテンションなギャグ漫画です。個人的な印象としてはTwitterで流行ったネタをマンガに落とし込んでる作品だなという感じです。なので、このノリに付いてこれる人はめちゃくちゃ楽しめます。僕は最高に好きです。
余談ですが、本作の原作者であるビリーさんはピクシブで艦これの二次創作マンガを描いておられるのですが、こっちも腹抱えて笑えるほど面白いので気になった方はぜひ読んでみてください。
おやすみシェヘラザード
おやすみシェヘラザード (1) (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 篠房六郎
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美人の先輩に映画を紹介してもらうというマンガなんですけど、この作品の面白いところはその紹介が「めっちゃつまんない」というところです。主人公は必死で映画の紹介を聞こうとするんですけど、結局途中で寝落ちしてしまって最後まで聞けないんですよね。
でもなぜか、いち読者としては「よくわかんないけどとりあえず見てみようかな」と最後には思ってしまいます。なんでなんですかね、美人のお姉さんにおすすめされりゃなんだって見たくなってしまうからですかね。
邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 英子さん
邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん (ホーム社書籍扱コミックス)
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6作品の中で一番ちゃんと映画を紹介しているマンガだと思います。タイトルの通り、基本は邦画を扱っている作品です。で、その扱う邦画というのが、世間一般ではいまいち評価を得られてないどころか、なんなら低評価されてる作品なんですよ。
例えば、実写版「魔女の宅急便」「テラフォーマーズ」、「劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」あたりの絶妙なところを突いてきます。これらの映画を映子さんが紹介すると「それめっちゃ面白くない?」と思えてきます。こうゆうその映画を好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめるところが素晴らしいなと思います。
映写室のわかばさん
映写室のわかばさん 1巻 (マッグガーデンコミックスBeat'sシリーズ)
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ちょっと異色の映画を題材にしたマンガです。上記で紹介したみたいな、実際の映画を扱った映画ではなくて、「映写技師」をしているクールビューティー美女を主人公とした物語です。彼女が黙々と頑張る姿を、周りの男ども(時々女性も)が「ええなぁ...」と眺めるというお話。いわゆる「お仕事系」ですね。
この作品。僕みたいなオタクがきゃわわな女の子を愛でて楽しむこともできるんですけど、随所に作者の映画への愛が感じられるんですよね。まずパッと見で装丁のデザインが非常にお洒落ですよね。それからカバー裏が素晴らしいです。買ってみた方、是非カバー裏も見るのを忘れないでください。
映画大好きポンポさん
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映画を紹介する漫画とは打って変わって、こちらでは「作り手側」の物語となっています。
特に面白いと思ったのが、ポンポさんが主人公のジーン君をアシスタントとして雇った理由が「目に光がなかったから」と言うんです。どう言うこと? と思うかもしれませんが、気になる方は是非読んでみてください。
それから、ラストのセリフが最高です。
私と彼女のお泊まり映画
若い仲良し女子が二人っきりで毎週金曜の夜に映画を鑑賞する漫画です。この漫画で良いと思ったところは、毎話最後に二人のレビューがあるんですよね。で、このレビューがかなりバラバラ。この二人映画は好きなんですけど、映画の趣味は全然違うんです。
でも、どんな映画でも楽しそうに見るし、楽しそうに語らう。それが例えばつまんない映画だったとしても。そんな仲のいい二人が大変尊くて全3巻でお買い求めになりやすいので気になった方は買ってみてください。
最後に
以上6作品でした。映画好きだけど何から見たらわかんないと言う方、これらの漫画で紹介された映画で気になったものから観ると、より作品を楽しめて良いと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
【MCU】マーベル映画初心者におすすめの作品 3選
現時点でMCUの映画は23作品出ています。これからMCU見始めたいな、なんて考えている人の中で、「全部見るのはめんどくさい」「どれから見たらいいの?」なんて思う方も多いと思います。
そこで今回はMCU映画を一本も見たことが無い人も楽しめるように
・予備知識ゼロでもOK
・これだけ見ても楽しい
・面白い!
以上の3点を抑えた作品を3つ紹介したいと思います。
アイアンマン
まずは何と言っても記念すべきMCU第1作である『アイアンマン』をオススメします。まだ見たことのない人は「いや、アイアンマンってスーツが強いだけじゃんw」と思うかもしれません。しかし、これを見ればアイアンマンの本当の強みが「スーツを自作すること」ということがわかるでしょう。
迫力のある戦闘シーンももちろんですが、失敗につぐ失敗を重ねながら、徐々に飛行能力やその他の武装を完成させていき、好きなカラーリングを施し、どんどんかっこいいスーツが出来上がっていく。男のカスタマイズ欲をくすぐるシーンも見所の一つでしょう。
アントマン
そのタイトルの通り、お話もミニマムでこれだけ見ても全然楽しめる作品です。
主人公であるスコット・ラングは他のヒーロー(アイアンスーツの社長。雷を操る神様。怒ると無限に強くなる巨人。70年の眠りから覚めた伝説のソルジャー)と比べると圧倒的にただのおじさんです。見た目も精神もただのおじさん。
そんなただのおじさんである彼が、努力を重ねながら魅力的なヒーローへと変身して行く楽しいストーリーです。
テンポが良くて、コメディ色が強いのでとても見やすい作品になっています。予備知識ゼロでも十分楽しめるのでMCUの入門としてぜひ見てください。
ガーディアンズオブギャラクシー
アイアンマンを演じたロバート・ダウニーJr.が「これはマーベル史上最高の映画」と評価するなど、映画好きからも絶大な支持を集めているのが本作です。
僕が初めてこの映画を見たとき、「え、これってMCU作品なの?」と疑問に思いました。というのもこの映画の舞台がゴリゴリの宇宙なんですよね。
これはMCU第10作目の作品なんですけど、それまでのMCUの物語の舞台は基本的に地球で、時々マイティ・ソーの生まれ故郷のアズガルドなんて場所が出てきますけど、本作ではMCUで初めて宇宙という広大な世界で物語が展開されます。
あらすじは、5人メンバー全員がお尋ね者。そんな彼らが銀河滅亡を阻止する。というもの。
この映画の見所なんですけど、これに登場する人たちって皆「ヒーローらしからぬヒーロー」なんですよね。というのも、他のヒーローと違って特殊な能力を持っていません。超人的な身体能力は無いし、小さくなるみたいな特殊なスーツも着てない。じゃあ、何を使って敵に立ち向かうの? という話なんですけど。
それは「アイデア」「チームワーク」そして「ユーモア」の3つなんですよ。ガーディアンズオブギャラクシーのチーム全員ホントにどうしょうもない連中なんですけど、そんな彼らが銀河を揺るがすような強大な敵に立ち向かっていく姿が最高にカッコイイです。
最後に
23作品と作品も多くなり、それらの物語が複雑に絡み合うのでどうしても見たこと無い人はとっつきにくくなってしまっているのが今の問題かな、なんて思います。でもMCUって一作一作がホントに面白いんですよね。なので今回は単体で見ても面白い作品を紹介してみました。これを機にMCUの新作映画が出たら「とりあえず見にいってみようかな」なんて思ってくれたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
『天国大魔境』ネタバレ感想。荒廃した世界がたまらない。
『チェンソーマン』(1)〜(3)まで、ネタバレ感想。
チェンソーマン
原作者:藤本タツキ
最初読んだ時は青年誌で連載されてるのかと思ったんですけど、普通に少年誌の方で連載されてるんですね。
- あらすじ
- キャラクターが個性的
- 戦闘というより暴力シーン
- 今後の展開について
あらすじ
続きを読む『プリズムの咲く庭』ネタバレ感想。この世界が溶けた風呂にずっと浸かりたい。
プリズムの咲く庭
原作者:海島 千本
全10編からなる短編集でどれも美しい世界観で海島さんの作品をずっと読んでいたい。早く新しい海島さんの短編集出ないかななんて思える素晴らしい作品でした。
- 各話ハイパーザックリあらすじ
- 感想
- 作者の女の子への愛が凄い
- 対比の表現
- 女の子が可愛い
各話ハイパーザックリあらすじ
続きを読む『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしまーす』ネタバレ感想。
グウェンプール:こっちの世界にオジャマしまーす
著者:クリス・ヘイスティング(ライター)
グリヒル(アーティスト)
ダニーロ・ベイルース(アーティスト)
トラビス・ボンビレイン(アーティスト)
グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す (MARVEL)
- 作者: クリス・ヘイスティング,グリヒル,ダニーロ・ベイルーチ,御代しおり
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- 発売日: 2017/10/27
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アーティストのグリヒルさんはさいたま市在住の二人組の女性日本人アーティストみたいです。馴染みやすい絵柄でグウェンプールの足がとても良いです。