Gorigorikun’s blog

アニメ、漫画、映画について喋るゴリラ。

『僕の心のヤバいやつ(1)』ネタバレ感想。陽キャヒロインと隠キャ主人公の絶妙な距離感がたまらん

bok僕の心のヤバいやつ(1)

原作:桜井のりお

僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 

  タイトルからは予想がつきづらいですがゴッリゴリのラブコメです。

あらすじ

  クラスでは基本ぼっちで過ごすような陰キャ、市川京太郎。市川は現役中学生で、現役バリバリの中二病です。そんな彼は自分とは真逆の存在である、スクールカースト頂点かつ現役モデルの圧倒的陽キャ、山田杏奈を殺したいほど憎んでいます。だが、山田を観察しているうちにその感情に変化が生じてきて......。

 

以下、微ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

本作の見所感想

見所その1 二人の絶妙な距離感

  本作は陰キャ主人公の市川京太郎と、陽キャヒロインの山田杏奈の交流を描いた作品です。この作品の一番の見所は何と言っても二人の距離が一歩一歩、ゆっくり丁寧に縮まっていくところです。

 物語の最初、市川は山田から石ころか何か程度にしか認識されていません。

 実際1話で、市川は山田にカッターを貸すんですけど、山田はその日のうちに返さず、持って帰っちゃう。翌日になって市川の机の上にテンと置いて返します。要するにこの時の市川は山田にとって無理して話さなくていいなら話そうと思わない。程度の認識なんです。

 

 この感じが崩れるのが8話です。8話では山田から市川に「扇子を貸して」と頼みます。もちろん暑かったから貸してと頼んだんでしょうけど、これは明らかに1話から仲が少しだけ進展したからこそ、こう言ったんでしょう。つまり、ここにきてようやく山田にとって市川は、話す用事があれば話す奴に昇格するわけです。

 驚くべきはこの漫画、8話に至るまで主人公とヒロインの会話と言える会話がほとんどなくてあっても一言二言やりとりっていうだけなんですよね。初見だと「はよくっつけや!」って気分なんですけど二回三回と読むと、「ええやん(ほっこり)」となるんで不思議です。

見所その2 まじ中学生な中学生キャラクター達

  市川の男子クラスメイトである足立くんていうキャラクターはかなり欲望に忠実な人間なんですけど、なんとなく「こんなやつ俺が中学生の時もいたわ」って感じのするキャラクターで、これを読んだ方なら大概のやつ「こうゆうやついるわー」と思えると思います。そういう「なんかこうゆう人いそう」っぽさと。キャラクター性が丁度良い所にあるキャラクターが多く登場します。

 

 僕が特に好きなのがクラスメイトの神崎くんで、主人公からは「ブス専くん」と呼ばれてます。ちなみに彼が好きな原さんは可愛いです。

 

 足立くんは自分の欲望を声高に叫ぶヤバい奴なんですけど、神崎くんは一言喋る度に性癖の罪深さが垣間見えて、その欲望に末恐ろしさを感じるんですよね。こいつだけなんか他とレベルが違うんですよ。坊主頭にクリクリお目目っていうシンプルなキャラデザなんですけど、そのシンプルさが逆に狂気に拍車をかけてます。お前可愛い顔してるけどお前の本性知ってっかんなって気分になります。

見所その3 主人公の興奮ポイントの静かさ

  この作品の主人公のラッキースケベポイントって割と静かめです。転んだ拍子に股間に突っ込んだり、よろけた拍子におっぱい揉んだりみたいなことして「ワァー!」ってならないんですよ。

 どんなラッキースケベがあるかっていうと、例えば、山田のブラウスが透けて中に着たスク水が見えたり、市川の握りこぶしを無理やり開かれたりするんです。その度にトイレに駆けこむ市川のピュアさと、アクティブさを私は見習うべきなのかもしれない。

 

 他にも、友人から隠れるために、山田は市川の座る机の下に隠れるんですけど、その時に市川が「(なんか知らんけどボッキしそう)」ってモノローグで呟くんです。そして、この後山田は机の下から出る時、市川の太ももを、手すりがわりにして立ち上がります。その時に太ももに手を置かれた市川が、過剰なくらいにビクッとするんですよね。

 

 こういうミニマムなエロス(ToLOVEるやゆらぎ荘で目の肥えた私目線)。私たちでも日常生活のなかでありそうでないような出来事が描かれていて主人公に自然と共感してしまいます。

まとめ

  すでにweb版の方ではかなり二人の仲が進展しててゲロ甘なイチャつきっぷり見せつけてくれてたまりません。そんな2巻は来月9月4日の発売予定です。まだ読んでいない方は1巻だけでも是非に、読んだという方でもまた読み返したくなってくれると幸せです。最後までご覧いただきありがとうございました。下記にて連載中で1話から3話まで試し読みができます。

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